赤枝先生



              
         


         嶋田 潤子

去る7月6日、赤枝恒雄先生の講演会「ボクの願いはただ一つ 絶対、エイズにならないで!」を大変深く感銘し拝聴して参りました。若者達のセックスは、もはや私共の考えの及ばない世界へすっ飛んで行ってしまっているという現実を、あらゆる角度からつきつけられた思いです。これほど、子供達がセックスに対する興味をストレートに行動に移しているとは、想像していませんでした。援交という言葉は耳に入って久しいですが、これは例外的な子供のことと呑気に考えておりました。
セックス産業の取り締まり等、環境を良くすることは勿論大切なことです。また、子供達が興味に引かれて自ら過激な性行動を起こさないよう、正しい性教育、それも一歩踏み込んだ専門家の話を伝える場を、是非、学校教育早期から段階的に設けて欲しいと思います。性感染症やエイズから身を守ることが、自身の将来を壊さない為に如何に大切か、きちんと教育すべきだと思います。あわせて家庭でのプライド教育、居場所作り、清潔教育、親子の会話等も子供達の健全育成に役立つというお話も、子育て中のお父さん、お母さんに是非伝えたいと痛感いたしました。


   
                




         矢部 矩子

講師の赤枝先生は、診療の他に街角無料相談室(原宿)、エイズ街角無料検診(西麻布・六本木)性教育ラジオ放送(文化放送毎週月曜AM1:30)など、広く活動されています。先生の愛とユーモアに溢れたお話のなかで、子供達の性の現状、深刻で危機的なエイズの実情を知ることができました。
子供達が一歩、一歩道を外していく原因は、家庭、学校、地域でのケアの欠如、そして正しい性の情報と健全な遊び場の不足にあり、これらは大人が子供のために整えなければならない環境だと思います。子供を守るためにも、望まない妊娠をしないよう、そして性感染症にならないように、性行為のリスクと予防のために、コンドーム使用の教育の徹底が必要があると実感しました。ガールズガード運動と称して、子供達が知りたいことを直接教える性教育(ラジオで子供達の質問に分かり易く親身に回答されている)、若者に影響力のあるミュージシャンとのコラボレーション、ローソンでの保障付きコンドームの販売等、先生のエイズ防止活動へのアイディアと行動力には心より感動しました。又先生は、「家庭での性教育は基本的に無理である」と言われ、家庭でできることは、携帯、インターネット活用法の正しい教育、清潔教育、門限の決定、家庭での居場所作り、子供にプライドを持たせることです。親子の会話が多いほど、性の体験が遅れるなどヒントもいろいろ示されました。私にできることは何か?まずは子育て中の友達にこの情報を伝える事だと思います。


       

          
 
        



        
 伊藤 尚


講演会全体の感想として先生が日常の現実社会で何が起きているか?非常に良く把握されているからこそいろいろな活動に結びついているのだと感じました。逆を言えば、拝聴していた半分以上が、どこまで理解(消化)できたかと疑問さえ抱きました。演目は末端の立場(医師)での「エイズ」を掲げていましたが、最終的には家庭環境、地域環境をどう調整していくかに集約されていたようでした。今、コマーシャルで同じエイズをテーマとした内容で「あなたは、元カレ、の元カノ、の元カレ・・・を知っていますか?」という広告を見たことがあります。セックスのリスク、エイズの怖さ、未成年、成年に関係無くセックスに関する知識が乏しいのは、やはり日本の教育システムのせいなのか?昔ながらの日本文化が足を引っ張り、このような事柄をオープンに出来ない体質なのか?改めて見直さなければならないのは確かなようです。
話のなかで、あらゆる経緯からセックスに繋がり、性病感染に至る連鎖の説明がありましたが、まず「ダメ」ではなく、何でダメなのか、きちっとリスクを説明する機会と場所をより多くつくっていくべきであります。今から動くのは自分であり、自分達が何から始めていくか課題をいただいた講演でした。


 




         鈴木 ふくよ

赤枝先生の講演を拝聴し、子供の時代、孫の時代、これから世の中がどうなるのか?と心配になった。先生のお話は、家庭での親子の会話の無さ、辛かった異常な躾、凍りついた家に漂流する子供達、子供に子守唄を聞かせましたか?赤ちゃんに優しいお産でしたか?出産への認識の甘い女の子達、虐待は一人親に一番多く、そして中学生の出産が増えている。
子供のために学ばない親、子供のために仕事をしない親、その子供は赤ちゃんが彼を繋ぎ止める道具と思い、彼に捨てられると若過ぎて子供を育てる手段がわからない。外国では16歳以下の女性は子供を生んではいけないとされていますが、日本も13歳以下を16歳に引き上げて女性を守る必要がある。出会い系サイトは「怖い」と言うことを知り、人の良さそうな男性に声をかけるようになった。(若い女の子がお金を稼ぐ手段として、)男性の異性を求める強さの率は女性の2,2倍、お酒を飲むと7倍とされている。エイズ感染者の60%はレイプです。感染後10ヶ月でエイズになり、2年後には死亡する。治療費は月約20万円。中学、高校生に多いので中学を卒業するまでに性教育をしっかり学んでエイズだけは絶対ならないように。
基本的な性教育として、小学生から女の子を大切にすることを教えておく。6年生までにリスクを教え、中学になっても未だセックスをしてはいけない。高校になったら余りうるさく言わないで、人に依って異なるので子供を見て教えたらよい。家庭ではプライド教育をし、親子の会話を小さい時からする。自分の子供だけ良ければよいという時代ではない。町会単位で、子供達の安全教育をしたらと思う。又、コンビニにある悪書をPTAと町会の協同で無くすようにすべきである。以上のような内容を赤枝先生から学んだ。昔は常に子供を見ている近所の大人達がいたが、今は就業している人が多く町内に大人の姿をあまり見かけない。町会とPTAが共に話し合い、子供の教育を大いに考えていく必要があるのではないか。




    

                       エイズの講演会を聴いて

                 早稲田大学広域BBS会
                     早稲田大学人間科学部健康福祉学科3年
                                         豊住伸夫   

講演者の赤枝先生は繁華街で健康相談を行い、少女らの相談に乗っている。子供達にセックスをするように仕向け、性を食い物にしようと企むズル賢い大人たち、何ら躊躇することなくセックスし、性感染症に感染したり望まぬ妊娠をする子供達について、先生が直接聞いた体験談を交えた講演がなされた。事実、女性全体の妊娠は減少しているが女子中学生の妊娠は増加している。ただ恋人の男性が別れを切り出せなくするため、育児については何も考えずに妊娠し、それを知った男性が消息を絶ってしまうことが多いという。
用済みの残された子供は育児放棄や虐待を受け、やがて成長した際に非行に走りがちとなる。セックスが煽られることで、性感染症は女性の心身を蝕み、突然の出産は周囲の人々に迷惑を与え、不幸な生活が待つ子供を生み、非行に走った子供は治安を悪化させ社会不安に導く。
セックスを煽るものとして、先生は性を題材とする女性向けの漫画雑誌を紹介してくださった。私は講演会が終った直後、その足で早稲田界隈のコンビニで、その雑誌を探し当てた。分厚い雑誌の中、性感染症や妊娠のリスクには一切触れられず、手を変え品を変え、セックスの快感、恋人達の愛を深めることのみが喧伝されている。
コンドームも一冊通して一度しか出てこない。そのコンビニの店員さん曰く、18歳未満の客への販売規制はしていないとの事。中が読めないようにビニールがかけられている訳でもない。身近にこういったものがあるから、少女達がセックスを何ら抵抗無く受け入れていくわけである。
出版社はその社会的影響を考えず金儲けばかりを考えている。たばこ同様、セックスによる弊害についての警告を雑誌のどこかにハッキリと明記すべきである。子供達が周囲からどんなにセックスを煽られたとしても、自分の力で判断が出来るように性教育が早期になされ、中学卒業の段階では体系化した性知識が頭に入っているべきである。高校生になったら恋人とのセックスは許されるべきであるとの先生のご意見は、いささか進歩的であると感じられた方もいらっしゃったのではなかろうか。しかし、私にとっては非常に現実に即したものと感じられた。今回の講演で得たことを是非とも今後のBBS活動に生かして行きたい。                




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